
森永卓郎が警告!金利上昇が家計も追い詰める「住宅価格のバブルはすでに風前の灯」
5月24日の東京市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが1%を超えた。
長期金利1%超えは、2012年4月以来、12年1カ月ぶりの高水準で、黒田東彦前日銀総裁が異次元金融緩和を実施する前の水準に戻った。
植田和男総裁が「緩和的な金融環境を維持する」と発言しながらも、じわじわと金融引き締めを続けてきたことの結果だ。
【関連】リーマン並みでも危機感ゼロ~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』 ほか
植田総裁就任直前の長期金利は0.3%だったから、1年余りで0.7%上昇したことになる。資金の運用環境が改善した銀行業界は、大儲けだ。
メガバンク3社の昨年度の最終利益は3兆円を突破し、過去最高を更新している。
長期金利が上昇すると、大量の国債を発行している政府に大きな負担がかかるという説もまことしやかにささやかれているが、政府関連機関を含めた「統合政府」でみると、金利が上昇しても財政負担が増えることはない。
統合政府は借金も多いが、それ以上に資産を保有しており、資産運用から得られる金利収入も増加するからだ。
結局、金利上昇がもたらす影響は、銀行業界が大きなプラス、政府がわずかなプラス、そして設備投資資金を借りている中小企業がマイナス、住宅ローンを借りている国民がマイナスということになる。
新規で住宅ローンを借りる人は…
ここでは長期金利上昇で、どれだけ住宅ローンを抱える世帯の負担が増えるのかを検証してみよう。固定金利の住宅ローン金利は、長期金利に連動する。現実には、金利水準は個別の金融機関ごとに定めているので、完全連動ではなく、変動幅やタイミングは、金融機関によって異なる。
ただし、少し長い目で見れば必ず連動していく。
ここで、35年元利均等返済の固定金利で5000万円を借りたときの毎月の返済額を計算してみよう。
植田総裁就任直前の金利は2%だったから、それに基づくと毎月16.6万円の返済だったことになる。
一方、これまで植田総裁が引き上げた0.7%を加えて、2.7%でローンを借りたとすると、毎月の返済額は18.5万円と返済額が11%、1万9000円も増えるのだ。
わずかな金利上昇で、返済額が大きく増える。これが金融引き締めの怖いところだ。
ちなみに植田総裁は、円安の進行を食い止めることを目的に、金利の引き上げ姿勢を崩していない。
そこで現状からさらに3%金利を引き上げて、長期金利が4%に達したときに何が起きるのかを計算してみよう。
毎月の返済額は27.6万円となり、金融引き締め前と比べると66%、11万円も増加するのだ。さすがにこの返済額を支払える家庭は、少数派だろう。
ちなみにすでに固定金利で住宅ローンを借りている人は、金利引き上げの影響を受けない。返済額が増えるのは、あくまでも新規で住宅ローンを借りる人だけだ。
ただし、固定金利で住宅ローンを借りている人は全体の1割にすぎない。7割の人は変動金利型、2割の人が固定金利と変動金利の併用型だ。
これまでの経験では、固定金利の住宅ローン金利が上昇すると、少しタイムラグを置いて、変動金利も上昇する。
変動金利が上昇すれば、既借入者の返済額も増えていくから、返済に行き詰まる人が続出する。
大都市で起きてきた住宅価格のバブルは、すでに風前の灯と言えるのではないか。
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