
松方弘樹“隠し子発覚”後の記者会見で衝撃の一言「そんなもん、すぐにバレまんがな」
1985年に放送が始まった『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)に松方弘樹がレギュラー出演することになったとき、周囲の人間は「イメージを損なう」として口をそろえて反対したという。
東映の実録シリーズで迫力満点の極道を演じ、テレビ時代劇『大江戸捜査網』(テレビ東京系)や『名奉行 遠山の金さん』(テレビ朝日系)などで主役を張ってきた松方からすれば、この頃のバラエティー番組などは明らかに格下の仕事。それでも松方が出演を決めたのは、「ビートたけしという男に会ってみたかったから」だった。
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番組内では「松方部長」と呼ばれ、声を裏返らせ、止まらない汗をハンカチで拭う。そんな松方の姿はおおむね好評を博すこととなった。
かねてより松方は不倫騒動などで、俳優以外の姿を見せていたことから、視聴者側にもある程度の免疫ができていた部分はあっただろう。
松方の初ゴシップは74年のこと。NHK大河ドラマ『勝海舟』で主演の渡哲也が病気を理由に途中降板し、急きょ代役を務めることになった松方は、この作品で勝海舟の愛人役を演じた仁科明子(のちに亜季子と改名)との交際をスタートさせる。
仁科は歌舞伎役者・岩井半四郎(十代目)の娘で、新進のお嬢様女優として注目されていた。
一方の松方は68年に結婚したモデルと3人の子供をもうけており、仁科との交際が始まった時期も婚姻関係は継続していた。
そうして不倫交際を続けた末、松方の離婚成立後の79年に仁科と正式に結婚。松方が前妻に払った慰謝料は3億円とされ、これは当時の芸能界史上最高額ともいわれた。
とはいえ松方は、決して仁科に一途だったということではなく、交際中も結婚後も女遊びを続けていた。
松方の盟友である梅宮辰夫は、自身も相当のプレイボーイだったが、松方の遊びぶりは段違いだったと証言している。
これについても松方は、「人間だからしょうがないじゃないか」と開き直っていた。
そもそも浮気を悪いと思っていなかったのだろう。
結婚後も仁科に対しては、海外ロケの際に浮気で使用するコンドームを用意させたり、泊まっていたホステスの部屋まで着替えを届けさせたり、勝手放題に振る舞っていた。
松方自身もメディアの前で堂々と「800人くらいはいただいている」と話したものだった(生涯ではなく年間800人という説もある)。
終生を共にした“内縁の妻”
仁科とは2人の子供に恵まれたが、だからといって家庭人になるはずがない。87年には元アイドル歌手との間に、2歳になる隠し子がいることが発覚。記者会見で松方は「最初は内緒にしていたんです。でも、そんなもん、すぐにバレまんがな」とあっさり事実を認めている。これには仁科も相当怒ったようで、事態を収拾するために松方はパイプカットを要求された。
もっとも、仁科は「ほかで子供をつくらないこと」を求めたわけで、浮気そのものについては許すというか、どこか諦めていたのだろう。
なお、松方は元アイドル歌手との間にできた子供を認知した上で、成人するまで毎月30万円の養育費を払っていた。
また、最初の妻に対しても同様に、毎月50万円を払い続けており、さんざん浮気しながらもそれぞれの相手を納得させてきたあたりが、松方の器量の大きさと言えようか。
ところが、98年になって仁科がマスコミ各社に「離婚声明文」を送りつける。
松方が当時の浮気相手である女優の山本万里子と、オーストラリア旅行へ出かけていた最中のことだった。
仁科は91年に子宮頸がんを発症し、闘病生活を送っていた。松方は「妻を支える夫」を装っていたものの、それと並行して当時19歳だった山本との交際をスタートさせている。
山本は京都・祈園の高級クラブに勤めていたが、松方は95年に自分の出演していたドラマで女優デビューさせるほどの熱の入れようで、これに仁科の堪忍袋の緒が切れた。
松方は記者会見で「(仁科と)別れるという意思はありません」と繰り返し、ひたすら謝罪を続けたが、結局、受け入れられず98年末に離婚が成立する。
折り悪しく事業の失敗が重なり、松方の個人事務所は倒産。土地と建物で10億円といわれた京都の豪邸を手放すことにもなった。
それまで世間の論調は松方の女遊びにどこか寛容だったが、今度ばかりは「病気の妻を裏切った」ということで主婦層からの反感が強く、映画やテレビの仕事が激減。以後の松方はVシネマや夢グループの歌謡ショー、さらにはパチンコ店のイベントゲストなどもこなしていた。
それでも幸いだったのは、そんな松方を山本が見放さず、終生を共にしたことだった。
2016年ごろに脳梗塞などを発症して松方の体が不自由になってからは、かいがいしく車いすを押す山本の姿が、住まいの近くでよく見られたという。
(文=脇本深八)
松方弘樹◆まつかたひろき 1942年7月23日生まれ~2017年1月21日没。東京都出身。父親は俳優の近衛十四郎、母親は女優の水川八重子、弟は俳優の目黒祐樹。60年に映画『十七歳の逆襲・暴力をぶっ潰せ』で主演デビュー。『仁義なき戦い』シリーズをはじめ『沖縄やくざ戦争』『柳生一族の陰謀』『最後の博徒』など、数多くの時代劇、任俠映画で強烈な個性を発揮した。
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