
総選挙は“消費税政策”で見極める~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』
岸田総理が、年内解散を断念したと新聞各紙が報じた。内閣支持率の低下を逆転させるための切り札として打ち出した所得税・住民税減税が国民の不興を買い、とても解散を打てる環境ではなくなってしまったことが原因だ。
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自民党の若手議員102人が所属する「責任ある積極財政を推進する議員連盟」が提案した「消費税5%への引き下げ、食品の消費税ゼロ」という政策に乗っかっておけば、今回の経済対策と同程度の予算規模で、国民の支持を一気に回復することができたはずだ。
『女性自身』が11月11日に発表した「減らしてほしい負担」のアンケートでも、200票を集めて2位となった「所得税」に2倍以上の差をつけて「消費税」が479票のトップとなった。ところが、財務省に篭絡された岸田総理は「社会保障財源である消費税を引き下げることは、そもそも考えていない」として消費税減税を一蹴してしまったのだ。
ただ、解散風が吹いたことは、一つだけ大きな成果を生んだ。総選挙に向けて各党の消費税政策が明確になったことだ。
最も重要な変化を示したのが日本共産党だ。9月に発表した「日本共産党の経済再生プラン」で、財政政策を大きく転換したのだ。日本共産党は、これまで財務省が提唱する「財政均衡主義」の考えを採ってきた。私は20年以上、日本共産党の国会議員にその考え方は誤っていると主張してきたのだが、聞く耳を持ってもらえなかった。
各党の政策の柱とは…
しかし今回の経済再生プランは、「借金が多少増えても、経済が成長していけば、借金の重さは軽くなっていきます。国民の暮らしを応援する積極的な財政支出によって、健全な経済成長をはかり、そのことを通じて借金問題も解決していく――そうした積極的かつ健全な財政運営をめざすことが必要です」と述べて、財政均衡主義からの脱却を宣言したのだ。また、消費税率に関しても、緊急的に5%へと引き下げるほか、最終的には消費税を撤廃する方針を明らかにした。共産党と対照的な対応を示したのが立憲民主党だ。11月10日に発表した「人からはじまる経済再生」のなかで、「消費税については、現行の軽減税率制度を廃止し、給付付き税額控除を導入します」とした。軽減税率を廃止するというのは、むしろ消費税を増税するという戦略だ。昨年の参院選公約で掲げた「消費税率5%への時限的な引き下げ」という政策は、取り下げられた。
記者会見で立憲民主党の泉代表は、「新型コロナウイルス禍で冷え込んだ消費が改善傾向にある経済状況で、消費税減税を訴える状況にはない」と説明した。国民民主党は、実質賃金上昇率が2%を超えるまで、消費税率を5%に減税するとしている。日本維新の会は、緊急経済対策として消費税率を8%に引き下げることを発表している。れいわ新選組は、もともと消費税撤廃を政策の柱に据えている。
これで、ようやく本当の政策の対立軸がみえてきた。次回の総選挙は、与党対野党連合の軸で政策選択を行うのではなく、消費税増税派か消費税減税派の戦いにすべきなのだ。それは、親財務省対反財務省、あるいはザイム真理教対脱ザイム真理教の戦いでもある。国民は、どの候補者が消費税を上げていこうとしているのか、下げようとしているのかをきちんと把握して、選挙に備えるべきだろう。
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