インタビュー・人妻になった“国民の愛人”橋本マナミ〜ターニングポイントは手拭い!?〜
フェロモン全開で「国民の愛人」と呼ばれてきた女優・橋本マナミ。現在公開中の映画『絆のものがたり 〜心を結ぶもの〜』では、都会で夢破れたバツイチ女性という難しい役に挑戦している。作品の見どころとともに、これまでの半生や美貌を保つ秘訣について話を聞いた。
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――映画『絆のものがたり 〜心と心を結ぶもの〜』の橋本さんの出演パートでは、ウワサに翻弄される人々の様子が描かれています。
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橋本マナミ(以下、橋本)「私自身も、あらぬウワサ話で苦しめられた経験はありますね。特にバラエティー番組に出演させていただいていた頃は、勝手に派手なイメージを持たれることも多くて…。他のタレントさんに『すごく男遊びが派手』とか裏で言われていて、ビックリしました。そのときは気にするだけ損だと思い無視しましたけど、同じことを『週刊実話』さんに書かれていたらショックで寝込んでいたかもしれない(笑)」
――人前に出る職業でなくてもSNSの普及によって、誰しも根も葉もないウワサで苦しめられることが多くなっています。
橋本「今の時代を生きるには、もうメンタルを鍛え上げるしかないと思います。それと噂の被害というのは、都会よりも地方のほうが深刻だと感じるんですよ。今回の映画もまさにそういった内容で、コロナのウワサによって村八分になったり、人間関係が破綻していくわけです」
――橋本さんは、今回の映画の舞台にもなった山形県の出身でしたね。
橋本「地元に帰ると、東京との温度差を感じることは多いですね。コロナが流行り始めた頃は『こっちに戻ってこないで』と言われましたし。陽性になったわけでもないのに、ばい菌みたいな扱いをされて釈然としませんでした」
――地方はコミュニティーが狭いために、少なからず排他的な部分はありますよね。噂もすぐに広がって騒ぎになりますし…。
橋本「東京だと、マンションの隣人がなんの仕事をしているかなんて知らないじゃないですか。私、13歳でデビューしたとき、結構ワイドショーで取り上げられたんですよ。すると地元で『あの家の娘さん、芸能人になったらしいよ』と話題になったらしいんですね。ところが、それから鳴かず飛ばずの期間が長く続いたんです。そして久しぶりに表舞台に出てきたと思ったら、今度はセクシーな格好をして〝国民の愛人〟と呼ばれるようになっていた(笑)。それこそ、蜂の巣をつついたような大騒ぎになったそうです」
女優とグラドルの二刀流
――コロナの問題も作品では大きなテーマになっています。やはり橋本さんの生活も一変しました?橋本「これは偶然なんですけど、ちょうど出産前後で休まなくちゃいけない時期と、コロナの自粛期間が被っていたんですよね。仕事も一度、止めざるを得なくなったので、そこで自分の足元を見つめ直すいい機会になったと今は思います」
――出産しても、体形がまったく崩れないですね。美貌キープの秘訣は?
橋本「コロナ禍に入ってから、免疫力を高めようと食生活を見直したんです。自炊中心にして、調味料にも気を使うようになりました。それまでジャンクフードが大好きだったんですけど、今は一切食べなくなりましたしね。そうしたら、本当にお肌も調子がよくなってきまして。ちなみに、今までで一番、痩せているんですよ。身体のコンディションは39歳の今がベストです」
――フェロモンも過去最高に出ているということですね。今作では落ち着いた女性を演じていますが、セクシー路線は封印したということですか?
橋本「そんなことはないですよ。去年のドラマでセクシーな役はありましたし。もともと私はグラビアとかバラエティーのイメージが強かったんですけど、結婚や出産を経験した今は、地に足のついた活動ができていると感じるんです。年齢とともに落ち着いた母親役などが増えてきたのは事実ですが、その辺は二刀流でいくのが理想ですね」
――アラフォーとなって魅力が増した橋本さんの、色気を求めるファンも多いはずです。
橋本「一口に色気といっても、いろんなジャンルが存在すると思うんですね。例えば、20代の頃は胸の谷間を見せるのが典型的なセクシーポーズだったけど、この年で同じことをやったら少し痛い女になっちゃうかもしれない。今なら露出だけに頼らないオトナの色気も出せると思うし、どうせなら実年齢にマッチした色気で魅了していきたいですね。〝国民の愛人〟を経て、最終的には〝国民のおばあちゃん〟と呼ばれるようになって、末永く愛されたいです(笑)」
――映画の中で橋本さんが演じる夕佳里は36歳。都会での生活に挫折し、離婚した状態で故郷に戻ります。ご自身の境遇と重なる点はありましたか?
橋本「結構ありました。なにしろ挫折ばかりの人生ですから(笑)。下積み時代なんて、山形に帰省すると、東京に戻る新幹線の中でいつも号泣していましたよ。『私、何やっているのかな?』って。仕事がろくにないくせに、たまに仕事をいただいても、なかなかうまくこなせなかったんです。バラエティー番組で全然しゃべれなかったり、ドラマの泣くべきシーンで泣けなかったり…。そうすると、自分のダメさ加減に落ち込んでくるんです。主人公の夕佳里と同じで、芸能の夢を諦めて山形に戻ろうと考えたことも、一度や二度ではありません。それが20代の前半まで続きましたね」
――グラビアでブレークする前の時代ですか?
橋本「いや、正確には16歳の頃からグラビアもやってはいたんですよ。でも、まったくもってパッとしなかった(笑)。当時はグラビアアイドル全盛期で、矢吹春奈ちゃんとか瀬戸早妃(現・咲嬉)ちゃんが表紙をバンバン飾っていたんです。でも私ときたら、後ろのほうに2ページ掲載されるのが精一杯。これは厳しいなって、さすがに自分でも気づくじゃないですか。だけど『マナミちゃんは大器晩成型なんだよ』って励ましてくれたスタッフさんが2人くらいいたんですよね。その人たちの言葉がなかったら、夕佳里と同じように田舎に戻っていたはずです」
若手時代はグラビア嫌い
――どうやってどん底から這い上がったんですか?橋本「とりあえず、なんでもやることにしました。まずは動いてみるんです。おしゃべりが苦手だったのでフリートークができるカルチャースクールに通ったり、当然、お芝居のワークショップにも足を運びました。それから当時の事務所はバイト禁止だったんですけど、社会経験が不足していたのは自分でも分かっていたから、働くことで違う業種の人と交流したりとか…。結果的に今の私にとって、それらすべてがプラスになっています」
――応援してくれたスタッフさんの予言通り、大器晩成で花開くことになりました。今思うと、若い頃は何が足りなかったのでしょうか?
橋本「ぶっちゃけてしまうと、若い頃はグラビアが嫌いだったんですよ。『なんでこんな脱がなきゃいけないんだろう?』とか考えながら撮影していましたから。世の中をナメていますよね(苦笑)。だけど、25歳で仕事もいよいよなくなって、これが最後のチャンスだと思ったとき、開き直りみたいな感情が自分の中で生まれたんです。その撮影現場では下着も全部脱いで、手拭い1枚の状態だったんですけど、『露出度が高すぎるかな?』なんて考える余裕もなかった。不格好でもいいから、何かしら読者の方に伝わればいいという一念ですよね。そこで初めて自分をさらけ出すことができたんです。間違いなく、あれが私のターニングポイントだったと思います」
――素晴らしい話です。
橋本「周りの方にも恵まれたと思います。例えば、その少し前から壇蜜さんが大活躍されていたものですから、雑誌社の方も〝オトナのエロス〟みたいな枠を探していたんですよ。壇蜜さんのことは当時からすごく尊敬していましたけど、同じことをやっても絶対に勝てない。だから、違うキャラを模索するようになったんです。壇蜜さんがしっとりした〝陰のエロス〟だとしたら、私は〝陽のセクシー〟を目指したりとか」
――そんな橋本さんが、この作品を通じて伝えたいメッセージはありますか?
橋本「この映画はオムニバス形式で、人と人との〝絆〟が共通のテーマになっています。人間は誰もが一人では生きられないし、支え合いながら社会は成立していますよね。そうした絆のありがたさを感じ取っていただければと思います」 (文/小野田衛 企画・撮影/丸山剛史)
橋本マナミ(C)週刊実話Web
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