
漫才ブームでほぼ休みなく働いて…~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』
俺らB&Bは漫才ブームが去った後、一度コンビでの活動を休んでいた時期があったんです。東京に進出し、約5年間は大忙しでしたね。全盛期にはテレビとラジオのレギュラー番組が17本、CM9本を抱えていました。レギュラー番組はすべて司会。漫才師が全国ネットの番組で司会を務めたはしりだったんです。
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加えて、不定期でのドラマや他番組への出演、週末は全国各地へ営業…ファンクラブやグッズを作ったり、レコードまで出しました。5年のうち4年間は1日も休みがないほどでしたよ。うちの子どもはまだ幼く、熟睡できないからホテルに泊まる日も多かった。子どもたちの顔をほとんど見れない生活だったんです。
当時から売れている芸能人は正月にハワイ旅行していました。でも、漫才師は正月に生特番があるから休めない。あるとき、相方の洋八が体調を崩したんです。「売れたいと思って東京に来たのに、洋ちゃんには失礼やけど、ここまで売れんでもな」とポツリと呟いたんです。俺も体力的にもキツかったから、洋八の言葉はよく理解できました。
毎日生放送で司会を務めると、新しい話やネタを仕込まないといけないでしょ。営業のために新たな漫才ネタも考えないといけない。でも、忙しくてその時間すらないんですよ。
そうこうしているうちに、徐々に冠番組が少なくなり始め、約5年後には冠番組がなくなった。レギュラーが17本から0本ですよ。これが〝芸能界一浮き沈みの激しいコンビ〟と、俺らが言われる所以でしょうね。漫才ブームは文字通り〝ブーム〟だったんです。
再結成後も初舞台からウケた
そこで俺と洋八は、解散記者会見を開きました。これまで応援してくれた方々への御礼も込めてね。洋八は以前から役者をやりたかったから芝居に挑戦し、俺は漫才が好きだからそのうちまた漫才をしますとね。会見を終えて洋八と2人で飯を食いに行きました。「この5年はキツかったな。少し休もうな」と話しましたよ。28歳から32歳くらいで若かったけど、それでもキツかったですね。その後、俺は間寛平や国分健二さんとコンビを組んで漫才をしましたよ。その間でも、洋八とは連絡を取り合っていました。
数年後、洋八が離婚したんです。しかも、家も何もすべて奥さんにあげて、1人でアパートを借りて住んでいた。当時、洋八は知り合いの居酒屋の手伝いもしていた。だから「もう一度漫才でもしようか?」と声を掛けると「エエよ」。6~7年のブランクはあったけど、再結成の初舞台からウケましたね。打ち合わせも稽古も何もしてないのにね。
俺は講演会を通して1人喋りが鍛えられていた。たけしや紳助はテレビで活躍していたけど、俺は講演会で日本一になると決心し、活動していましたからね。
B&Bの漫才は、俺が一方的に喋り、洋八はツッコむだけ。寛平や国分さんと組んだコンビもめちゃくちゃおもしろかったですよ。組む人によって漫才のスタイルが変わるんです。
洋八とだとスピード感のある漫才になる。舞台に上がり始めると、洋八の顔も段々と生き生きしてきましたね。表舞台に立つと、色々な出会いも増えるでしょ。数年後、洋八は再婚することになったんですよ。
島田洋七 1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
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